平成11年 東京新大学野球連盟春季入れ替え戦

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以下、試合の記事は東京理科大学・藤島由幸氏によるものです。


平成11年6月19日 東京国際大学グランド 1・2部入れ替え戦第1戦
1 2 3 4 5 6 7
東京国際大(2部1位) 0 0 0 0 0 0 0 0
日本工業大(1部6位) 3 0 1 0 0 1
(7回コールド)

国際大の先発はエース橋本。初回、死球と自らのバント処理のエラーで無死1・2 塁としてしまうと、小竹から3ランを浴びる。1つのアウトも取れずに先制を許して しまったのだが、結果的にこのホームランが国際大の攻撃の歯車を狂わせることになる。

国際大の持ち味は手堅い攻めなのであるが、いきなり3点のビハインドを背負って はそれができない。日工大遠藤の長身から投げ下ろされる直球と縦のカーブに押され、 どうしても攻撃が淡泊になってしまう。

日工大はその後、3回に小竹の2打席連続となる本塁打、6回には鈴木にも一発が 出てじわじわとリードを広げていく。そして7回には1死満塁から守屋が2点適時2 塁打を放ち、まさかのコールドゲームとなった。

国際大の橋本が悪い出来だったとは思えない。相変わらずのコースを突く投球内容 だったが、全盛期に比べると明らかにスピードが落ちたボールを痛打された。いくら 堅い守備と言えどもフェンスオーバーされては手が届かない。エースで初戦を落とし、 相当に国際大は苦しくなった。

平成11年6月20日 東京国際大学グランド 1・2部入れ替え戦第2戦
1 2 3 4 5 6 7 8 9
日本工業大(1部6位) 0 1 0 0 0 0 0 0 0 1
東京国際大(2部1位) 0 0 1 1 3 0 0 0 × 5

日工大・大谷、国際大・長島の両左腕の先発で始まった。不安定な立ち上がりの大 谷だったが、バックが大谷を助けるべく奮闘する。とにかくナイスプレーが多かった。 1回1死1塁からのセカンドゴロを笹瀬がバックハンドでキャッチし、そのまま グラブトスして併殺を完成。2回2死2塁からのセンター前ヒットを竹澤が好返球を し本塁でタッチアウト。3回には1点取られた後の2死2塁で小竹がサードゴロを 横っ飛びで押さえる。そして最も光ったのはキャッチャーの守屋だった。大谷、藁科 共にワンバウンドの球が多かったが、これを全て体で止め一つも後ろへ逸らさない。 2回試みられた盗塁(荻原と天田、共に俊足)も強肩で刺し、さらには6回1死3塁 からのショートゴロで突っ込んだ3走をセーフのタイミングながらナイスブロックで 殺した。

ところが、この日工大の守備を上回ったのが長島である。直球と縦のカーブ、そし て主軸バッターに多用した横に小さく滑る高速スライダーは威力充分。リーグ戦でも 見せたことのない最高の内容。2回に鈴木の犠飛で先制されるものの、最終的には散 発の3安打1失点に抑えた。

国際大は攻撃でも天田にホームランが出るなど試合を優位に進めることができた。 背水の陣で臨んだ第2戦に2番手投手が予想だにしなかった好投。国際大にとっては 嬉しい誤算となった。

ところで、敗れた日工大のベンチにはこの日もエース川田の姿はなかった。1部の 公式戦には登板していたと聞いたのだが。どのようなチーム事情があるのか分からな い。しかし日工大は川田がいないとなると...。

平成11年6月21日 東京国際大学グランド 1・2部入れ替え戦第3戦
1 2 3 4 5 6 7 8 9
東京国際大(2部1位) 0 1 0 0 4 0 0 2 0 7
日本工業大(1部6位) 0 0 2 0 0 0 3 0 1 6

日工大の先発遠藤は初戦ほどの球威が感じられない。ストレートは沈み変化球もス トライクが入らない。2回には四球で招いたピンチから先制される。一方の橋本も、 調子が良いとは言えないながらも懸命に投げる。3回には笹瀬から2点適時打を打た れ逆転されるが、それ以外の回は三者凡退に退けて反撃を待つ。

そして5回、国際大は上原の適時打などヒット4本を集中させてビッグイニングを 作る。が、問題はその裏。リードをもらった途端に橋本が何を意識したのか突如乱れ てしまう。相手ベンチから「ノミの心臓」といったヤジが飛ぶほどの変貌ぶり。味方 からも「腕を振れ、腕を。何やってんだこの野郎!」、「交代だ、交代。こんなの。」 というような罵声を浴びせられる始末。結局3連続四球で無死満塁としてKO。 前日好投した長島がマウンドへ。笹瀬のサードゴロを本塁で封殺してまずはワン ナウト。そして1死満塁から小竹の強烈なサードゴロを上原が横っ飛び。起き上がる や否や3塁にベースタッチし1塁へ転送。こちらも負けじと好プレーでピンチを切り 抜けた。ところが長島も連投であるためコントロールが定まらない。7回には2死無 走者から2本のヒットと4連続四死球で3点を失いリードを吐き出してしまう。

日工大は6回途中から大谷をリリーフに送る。同点に追い付いた直後の8回表。交 代後初めて出したエラーのランナーを置き、天田から右翼線ギリギリに特大のホーム ランを浴びてしまう。

8回裏、2点をリードした国際大は長島をあきらめ、リーグ戦で一度も登板したこ とのない1年生の古澤をマウンドに送る。この古澤が好投。上位打線を見事に打ち取 り、9回2死までこぎつける。しかしドラマはここで終わらない。一ノ瀬、鈴木がし ぶとくヒットでつなぎ北山四球で満塁とすると、守屋がレフト前に痛烈な適時打。1 点差に迫る。押し出しでもバッテリーエラーでも同点、一打出れば逆転サヨナラとい う場面が訪れる。そして次打者・竹澤の放った打球は大きな放物線を描きセンター へ。国際大のグラウンドだけにヒヤリとしたが、ここまで国際大を引っ張ってきたか どうかは分からないが主将である伊達がこの打球をキャッチし、国際大が逃げ切った。

この試合、天田の活躍が特に目立った。打っては2試合連続となる本塁打を放ち、 守りでは三遊間の深いゴロを見事に2つさばいた。リーグ戦では不調だったが入れ替 え戦で復調し、守備の要として、チームのリードオフマンとして充分な役割を果たし た。この入れ替え戦のMVPを決めるとするならば間違いなく彼だろう。

国際大は平成7年春以来、久々の1部復帰となる。


平成11年6月20日 東京国際大学グランド 2・3部入れ替え戦第1戦
1 2 3 4 5 6 7
日大生物(2部6位) 3 0 0 0 1 1 3 8
東京都立大(3部1位) 0 0 0 0 0 1 0 1
(7回コールド)

日大は初回、エラーと死球で出たランナーを置いて、今季首位打者の武笠が先制の 3ランをレフトポール際に弾丸ライナーで叩き込む。リードをもらった先発内山は余 裕を見せ、打たせて取るピッチングを心掛ける。都立大はストライクを取りにくる球 を若いカウントから積極的に打ちにいく。ところが打線がつながらず、ランナーをた めることができない。

初回に強烈な一発を浴びた中村だが、ストレート・変化球共に抜群のキレを見せる。 追い込んでからの外角への速球が効果的で、6回までに日大打線から7奪三振の 力投。だが、さすがの中村も疲れを隠せない。球数が90球を超えたあたりから徐々 にコントロールが甘くなりリードを広げられ、7回には武笠からこの試合2本目とな るホームランを打たれた。

日大は内山が完投。四死球を連発することもなく、終始安定した投球を披露した。

平成11年6月21日 東京国際大学グランド 2・3部入れ替え戦第2戦
1 2 3 4 5 6 7
東京都立大(3部1位) 0 0 0 2 0 0 0 2
日大生物(2部6位) 1 0 2 4 4 0 × 11
(7回コールド)

あとがなくなった都立大は、前日に150球近くを放った中村をマウンドに送る。 当然の策である。中村には前日ほどのボールの伸びが感じられない。ボールが先行し 苦しい立ち上がり。しかし牽制タッチアウトやセンター奥原の好返球などもあり、序 盤は3失点に食い止める。

打線も奮起する。3・4番が作ったチャンスから青木の犠飛と前田の適時打で1点 差に詰め寄る。だが連投となった中村は既に限界を超えていた。4、5回と連打を浴 び火ダルマ状態となる。都立大ベンチも全てをエースに託し救援投手を送らない。何 とか反撃を試みたいところだが、中盤以降はチャンスを作ることができず、7回コー ルドとなった。

またもや昇格を逃した都立大だが、中村は確かに良かった。今回の入れ替え戦に登 場した全投手の中で球速は日大の石井に劣るものの、ボールのキレやコントロールを 加味した安定度という面では一番だったのではないだろうか。今回の敗戦は運が悪 かったとしか言いようがない。本気になった日大には国際大でさえ勝てるかどうか分 からないのだから。

日大は今季まさかの最下位となったが、入れ替え戦では集中力を取り戻し都立大を 寄せ付けなかった。結果的に2試合ともコールドゲームで勝利し、2部残留を決めた。


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