平成11年 東京新大学野球連盟春季入れ替え戦 |
東京国際大、9季ぶり1部昇格
日本工業大、5季ぶり2部降格
日本大生物資源科学部、2部残留
東京商船大、15季ぶりの3部昇格
帝京科学大、4季ぶりの4部降格
以下、試合の記事は東京理科大学・藤島由幸氏によるものです。
| 1 | 2 | 3 | 4 | 5 | 6 | 7 | 計 | |
|---|---|---|---|---|---|---|---|---|
| 東京国際大(2部1位) | 0 | 0 | 0 | 0 | 0 | 0 | 0 | 0 |
| 日本工業大(1部6位) | 3 | 0 | 1 | 0 | 0 | 1 | 2× | 7× |
国際大の持ち味は手堅い攻めなのであるが、いきなり3点のビハインドを背負って はそれができない。日工大遠藤の長身から投げ下ろされる直球と縦のカーブに押され、 どうしても攻撃が淡泊になってしまう。
日工大はその後、3回に小竹の2打席連続となる本塁打、6回には鈴木にも一発が 出てじわじわとリードを広げていく。そして7回には1死満塁から守屋が2点適時2 塁打を放ち、まさかのコールドゲームとなった。
国際大の橋本が悪い出来だったとは思えない。相変わらずのコースを突く投球内容 だったが、全盛期に比べると明らかにスピードが落ちたボールを痛打された。いくら 堅い守備と言えどもフェンスオーバーされては手が届かない。エースで初戦を落とし、 相当に国際大は苦しくなった。
| 1 | 2 | 3 | 4 | 5 | 6 | 7 | 8 | 9 | 計 | |
|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|
| 日本工業大(1部6位) | 0 | 1 | 0 | 0 | 0 | 0 | 0 | 0 | 0 | 1 |
| 東京国際大(2部1位) | 0 | 0 | 1 | 1 | 3 | 0 | 0 | 0 | × | 5 |
ところが、この日工大の守備を上回ったのが長島である。直球と縦のカーブ、そし て主軸バッターに多用した横に小さく滑る高速スライダーは威力充分。リーグ戦でも 見せたことのない最高の内容。2回に鈴木の犠飛で先制されるものの、最終的には散 発の3安打1失点に抑えた。
国際大は攻撃でも天田にホームランが出るなど試合を優位に進めることができた。 背水の陣で臨んだ第2戦に2番手投手が予想だにしなかった好投。国際大にとっては 嬉しい誤算となった。
ところで、敗れた日工大のベンチにはこの日もエース川田の姿はなかった。1部の 公式戦には登板していたと聞いたのだが。どのようなチーム事情があるのか分からな い。しかし日工大は川田がいないとなると...。
| 1 | 2 | 3 | 4 | 5 | 6 | 7 | 8 | 9 | 計 | |
|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|
| 東京国際大(2部1位) | 0 | 1 | 0 | 0 | 4 | 0 | 0 | 2 | 0 | 7 |
| 日本工業大(1部6位) | 0 | 0 | 2 | 0 | 0 | 0 | 3 | 0 | 1 | 6 |
そして5回、国際大は上原の適時打などヒット4本を集中させてビッグイニングを 作る。が、問題はその裏。リードをもらった途端に橋本が何を意識したのか突如乱れ てしまう。相手ベンチから「ノミの心臓」といったヤジが飛ぶほどの変貌ぶり。味方 からも「腕を振れ、腕を。何やってんだこの野郎!」、「交代だ、交代。こんなの。」 というような罵声を浴びせられる始末。結局3連続四球で無死満塁としてKO。 前日好投した長島がマウンドへ。笹瀬のサードゴロを本塁で封殺してまずはワン ナウト。そして1死満塁から小竹の強烈なサードゴロを上原が横っ飛び。起き上がる や否や3塁にベースタッチし1塁へ転送。こちらも負けじと好プレーでピンチを切り 抜けた。ところが長島も連投であるためコントロールが定まらない。7回には2死無 走者から2本のヒットと4連続四死球で3点を失いリードを吐き出してしまう。
日工大は6回途中から大谷をリリーフに送る。同点に追い付いた直後の8回表。交 代後初めて出したエラーのランナーを置き、天田から右翼線ギリギリに特大のホーム ランを浴びてしまう。
8回裏、2点をリードした国際大は長島をあきらめ、リーグ戦で一度も登板したこ とのない1年生の古澤をマウンドに送る。この古澤が好投。上位打線を見事に打ち取 り、9回2死までこぎつける。しかしドラマはここで終わらない。一ノ瀬、鈴木がし ぶとくヒットでつなぎ北山四球で満塁とすると、守屋がレフト前に痛烈な適時打。1 点差に迫る。押し出しでもバッテリーエラーでも同点、一打出れば逆転サヨナラとい う場面が訪れる。そして次打者・竹澤の放った打球は大きな放物線を描きセンター へ。国際大のグラウンドだけにヒヤリとしたが、ここまで国際大を引っ張ってきたか どうかは分からないが主将である伊達がこの打球をキャッチし、国際大が逃げ切った。
この試合、天田の活躍が特に目立った。打っては2試合連続となる本塁打を放ち、 守りでは三遊間の深いゴロを見事に2つさばいた。リーグ戦では不調だったが入れ替 え戦で復調し、守備の要として、チームのリードオフマンとして充分な役割を果たし た。この入れ替え戦のMVPを決めるとするならば間違いなく彼だろう。
国際大は平成7年春以来、久々の1部復帰となる。
| 1 | 2 | 3 | 4 | 5 | 6 | 7 | 計 | |
|---|---|---|---|---|---|---|---|---|
| 日大生物(2部6位) | 3 | 0 | 0 | 0 | 1 | 1 | 3 | 8 |
| 東京都立大(3部1位) | 0 | 0 | 0 | 0 | 0 | 1 | 0 | 1 |
初回に強烈な一発を浴びた中村だが、ストレート・変化球共に抜群のキレを見せる。 追い込んでからの外角への速球が効果的で、6回までに日大打線から7奪三振の 力投。だが、さすがの中村も疲れを隠せない。球数が90球を超えたあたりから徐々 にコントロールが甘くなりリードを広げられ、7回には武笠からこの試合2本目とな るホームランを打たれた。
日大は内山が完投。四死球を連発することもなく、終始安定した投球を披露した。
| 1 | 2 | 3 | 4 | 5 | 6 | 7 | 計 | |
|---|---|---|---|---|---|---|---|---|
| 東京都立大(3部1位) | 0 | 0 | 0 | 2 | 0 | 0 | 0 | 2 |
| 日大生物(2部6位) | 1 | 0 | 2 | 4 | 4 | 0 | × | 11 |
打線も奮起する。3・4番が作ったチャンスから青木の犠飛と前田の適時打で1点 差に詰め寄る。だが連投となった中村は既に限界を超えていた。4、5回と連打を浴 び火ダルマ状態となる。都立大ベンチも全てをエースに託し救援投手を送らない。何 とか反撃を試みたいところだが、中盤以降はチャンスを作ることができず、7回コー ルドとなった。
またもや昇格を逃した都立大だが、中村は確かに良かった。今回の入れ替え戦に登 場した全投手の中で球速は日大の石井に劣るものの、ボールのキレやコントロールを 加味した安定度という面では一番だったのではないだろうか。今回の敗戦は運が悪 かったとしか言いようがない。本気になった日大には国際大でさえ勝てるかどうか分 からないのだから。
日大は今季まさかの最下位となったが、入れ替え戦では集中力を取り戻し都立大を 寄せ付けなかった。結果的に2試合ともコールドゲームで勝利し、2部残留を決めた。