平成15年 東京新大学野球連盟春季入れ替え戦 |
杏林大が1部残留
電気通信大が2部残留
淑徳大国際が初の3部昇格
東京商船大が4季ぶりの4部降格
| 1 | 2 | 3 | 4 | 5 | 6 | 7 | 8 | 9 | 計 | |
|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|
| 日大生物(2部1位) | 1 | 0 | 0 | 0 | 0 | 0 | 0 | 0 | 2 | 3 |
| 杏林大(1部6位) | 2 | 0 | 0 | 0 | 0 | 0 | 2 | 0 | × | 4 |
攻撃力の日大生物と守備力の杏林大。タイプの異なる両チームの戦 いは大荒れの展開となることも予想されたが、ふたを開けてみれば 緊張感が漂うロースコアのクロスゲームとなった。
プレーボール直後の初球を1年生の岡野が叩いて先頭打者本塁打。 日大生物が先制する。しかしすぐその裏に杏林大は連打でチャンス を作り、2本の内野ゴロで逆転に成功する。 初回に点を取り合ったが、2回以降は両先発投手ががんばり引き締 まった試合となる。杏林大・能重は相手の強力打線を封じ込めるべく、 捕手・松井の慎重な配球のもとにピッチングを組み立てる。 さすがにクリーン・ヒットを何本か浴びるものの、バックの堅い守備 に後押しされ得点を許さない。4回に宮田の二塁打等で無死2・3塁の ピンチを招くが、次打者の内野ゴロで一度に2人のランナーが 挟殺されるといった相手のまずい走塁にも助けられ、8回を6安打 1四球の1失点にまとめた。 一方の日大生物・小松も俊足が多い杏林大の走者へ細心の注意をは らいつつ、大きく縦に割れるカーブを有効に使い追加点を許さない 。しかし球数が100球を超えたあたりで捕まってしまう。7回に 1死1・3塁のピンチを招くと5番・安達のスクイズ、代打・藤巻 の適時三塁打を浴び無念の降板となった。日大生物は9回に2死無 走者から追い上げたものの、あと一歩及ばず。杏林大がどうにか逃げ切った。
先勝した杏林大が有利になったという事実に間違いはないが、この 時点で1部残留が決定的だとも言い難い。日大生物は大量リードさ れてからの猛反撃を過去に何度も演じてきたチームである。そして 今季のレギュラー・シーズンでも見せた終盤の粘りはこの試合でも 生きていた。杏林大は優位のまま完勝することができず、日大生物 が反撃するための明日以降につながる布石を打たせてしまった。 また投手起用においても、日大生物は第2戦の先発が予想される左 腕・後藤と切り札的な存在であるエース沢口を共に温存しているが、 杏林大は緒戦は継投が上手くいかなかっただけに不安はぬぐい切れない。 勝負の行方はまだまだ分からない。
| 1 | 2 | 3 | 4 | 5 | 6 | 7 | 8 | 9 | 計 | |
|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|
| 杏林大(1部6位) | 1 | 0 | 3 | 0 | 1 | 1 | 0 | 2 | 0 | 8 |
| 日大生物(2部1位) | 0 | 0 | 0 | 0 | 1 | 1 | 0 | 1 | 0 | 3 |
杏林大は1回、杉森が四球で出ると石嶋の左前打を相手が後逸する間に杉森が生還して先制。 2回は2四球で作った好機を逃がすも3回に四死球で作った2死1.2塁の好機に 佐藤が右越3塁打。さらに中継プレーで失策が出る間に打者走者・佐藤も生還。 日大生物先発の後藤は被安打3にも関わらず6四死球を出す乱調で3回で降板した。 5回には相手2番手投手・沢口を攻めて永井の適時打で加点し、ほぼ一方的な展開とした。 一方の日大生物は5回に内村の適時内野安打、6回に宮田の適時2塁打で小刻みに 点数を返すものの8回に杏林大が4連打等で2点を加えて押し切った。 先発の能重は右打者の外角への変化球と内角への直球のコンビネーションがよく、 4回まで1安打投球。5回以降は6安打を浴びて反撃も受けたが3失点で完投した。 甘めの直球もなくはなかったが相手打者も押されており、連投の疲れも見られなかった。 また、安打性の打球を再三好捕した野手の守備も光った。
荒れる展開や互角の展開も予想されたこの対戦、結果的には杏林大が1部の力を見せつける形で終わった。 チームとしての投打の力でやや上回り、守備・走塁面では大きく2部校を上回った。 投手力だけで強力打線を抑えるのではなく、投手力+守備力で強力打線を 抑えたところに1部と2部の差を感じた。一方の日大生物は個々の打撃力は評価できる 部分はあるがチームとして機能しなかった。1点を返した6回無死2塁で4・5・6番が 3者連続三振に終わるなど大振りの打撃を繰り返し、何本か長打は出てもつながりを欠いてしまった。 投手陣が苦しい布陣であることに加えて守備陣の失策も失点に結びつき、終始防戦一方となってしまった。
| 1 | 2 | 3 | 4 | 5 | 6 | 7 | 8 | 9 | 計 | |
|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|
| 東京水産大(3部1位) | 0 | 0 | 0 | 0 | 0 | 0 | 0 | 4 | 0 | 4 |
| 電気通信大(2部6位) | 0 | 1 | 4 | 0 | 1 | 0 | 0 | 0 | × | 6 |
2部リーグの全10試合で実に8つのコールド負けを喫した電通大 と久しぶりに3部を制して勢いに乗る水産大。しかし、入れ替え戦 は何が起こるか分からない。大方の予想をくつがえし、電通大が先勝した。 2回に相手のエラーで先制した電通大は、3回にビッグ・イニング を作る。堀の適時打、吉田の2点適時三塁打などで4点を奪い試合 の主導権を握る。水産大は電通大・谷口の前に7回まで僅か2安打 に抑えられていたが、ようやく8回に反撃する。ヒットや四死球で 出たランナーを全員でつなぎ、三井・野呂・横山に適時打が出てあ と2点差まで追い上げる。ベンチの雰囲気も最高に盛り上がったが、 最終回は3人で抑えられ試合終了となった。 この試合は何と言っても谷口のピッチングに尽きる。伸びのあるス トレートに加えてカーブ・スライダー・シュート・フォークと多彩 な変化球を投げ分け、水産大打線を翻弄した。8回にヒットを集中 されたものの、ピンチらしいピンチはこの回だけで、合計で8個の 三振を奪う力投だった。
| 1 | 2 | 3 | 4 | 5 | 6 | 7 | 8 | 9 | 計 | |
|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|
| 電気通信大(2部6位) | 0 | 3 | 0 | 0 | 0 | 0 | 0 | 0 | 0 | 3 |
| 東京水産大(3部1位) | 1 | 0 | 0 | 0 | 1 | 0 | 0 | 0 | 0 | 2 |
東京水産大は初回、1死3塁に野呂を置いて山崎の適時打であっさり1点を先制。 しかし電気通信大は2回、吉田(2塁打)・小林(3塁打)・林(単打)の3連打で2点を取って逆転。 さらに堀江にも適時2塁打が出て3−1とした。3・4回と敵失で得た好機を逃がしていた 東京水産大も5回に2死3塁から野呂の適時打で1点。投げては森も好投を見せ、 打線も毎回のように走者を出して同点・逆転の機会をうかがうも、その前に谷口が 立ちはだかる。味方の拙守で走者を背負うものの3回無死2.3塁、4回無死1塁、 5回1失点後の2死1.3塁、6回1死2塁を一つずつ切り抜けた。力のある直球とコーナーをつく スライダーで独力で相手打線を抑えた。圧巻だったのは7回裏、両チームにとって大きな ポイントとなった攻防。塗師の3塁打で無死3塁となるも谷口は、8番・三井を 力ある直球で浅い右飛、9番・森を外角いっぱいのスライダーで三振、当たっている1番・ 野呂を追い込んでスライダーで投ゴロに仕留めた。谷口の技術と気持ちを見せつけたこの場面、 無策に終わった東京水産大にとっても大きな逸機であり、勝負をほぼ決めたとも言える場面だった。 9回には1点リードにも関わらず谷口を降板させる余裕の継投で、3部校の挑戦を退けた。
東京水産大は森が3点を失った3回以降、相手の目先を変える工夫も入れて 3回から9回を1安打に抑える好投を見せた。それだけに甘く入った直球をとらえられた 2回の投球は悔やまれた。打線も野呂・山崎を除いて迫力を欠き、 谷口を崩すまでには至らなかった。
| 1 | 2 | 3 | 4 | 5 | 6 | 7 | 8 | 9 | 計 | |
|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|
| 淑徳大国際(4部1位) | 0 | 0 | 4 | 1 | 4 | 0 | 0 | 3 | 0 | 12 |
| 東京商船大(3部6位) | 3 | 0 | 1 | 2 | 0 | 1 | 0 | 3 | 0 | 10 |
| 1 | 2 | 3 | 4 | 5 | 6 | 7 | 計 | |
|---|---|---|---|---|---|---|---|---|
| 東京商船大(3部6位) | 2 | 0 | 0 | 0 | 0 | 2 | 0 | 4 |
| 淑徳大国際(4部1位) | 5 | 3 | 4 | 0 | 0 | 0 | × | 12 |
先制したのは東京商船大。初回に前田の適時2塁打と敵失で2点を先制。 しかしその裏淑徳大国際が土井の適時打、満塁からの須賀原の走者一掃2塁打等で 5点を挙げると2回には冨澤の2点適時2塁打等で3点、3回には二つの敵失に 3安打3盗塁も絡めて4点を挙げ、序盤で勝負を決めた。上位から下位まで、 甘く入った変化球をセンター中心にライナーで打ち返す打撃は見事であった。 投げては各投手とも制球に不安を見せながら、4投手を細かくつないで逃げ切った。
東京商船大はリーグ戦で登板経験のない永野に入れ替え戦を託したもののいかんせん 力不足だった。打線も2回2四球等からの無死満塁、3回3四球からの2死満塁を生かせず、 追撃できなかった。