平成18年 東京新大学野球連盟春季入れ替え戦


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平成18年6月24日 県営大宮球場 1・2部入れ替え戦第1戦
1 2 3 4 5 6 7 8 9
東京国際大(2部1位) 2 1 0 3 0 0 1 0 0 7
高千穂大(1部6位) 2 0 0 0 1 0 0 0 0 3

3時間を越える悶々とした戦いは、東京国際大が勝利した。

東京国際大は初回に4安打を集めて倉上・太田の適時打で2点を先制。しかし高千穂大も その裏、3連続四死球でもらった好機に暴投と西貝の犠飛で同点。2回に東京国際大は 4四球をもらって1点勝ち越し。3回に東京国際大は2死球で好機をもらうも無得点。 その裏、東京国際大先発・蛯名が2個目の死球を与えたところで早々に中川にスイッチ。 ここを無失点に抑えると4回には高千穂大先発・田村を待井の3塁打でKOして倉上の犠飛で1点追加。 さらに2死から太田の適時打と松沼の押し出し死球で加点。この序盤のバタバタは終盤まで 続くが得点だけはこのあとそれほど動かなかった。高千穂大は4回2安打による2死1.2塁、 5回1死満塁では中前打で1走が2封され(中ゴロ)1点止まり、8回1死1.2塁は中直で2走が戻れず併殺。 その高千穂大の拙攻にも付き合うように東京国際大は4回得点後の2死満塁、5回1死満塁、 6回2死1.3塁、7回2死満塁は押し出し1点止まり、9回無死1.2塁と好機を逃し続けてとどめを刺せず。 高千穂大は与えた四死球が15、東京国際大は再三塁上をにぎわせながら20残塁。 およそ来季1部参入校を決める戦いとは思えないさびしい攻防で、東京国際大・中川の1失点リリーフが光ったくらいだった。

平成18年6月25日 県営大宮球場 1・2部入れ替え戦第2戦
1 2 3 4 5 6 7 8 9 10 11
高千穂大(1部6位) 0 0 1 1 0 2 0 2 0 0 2 8
東京国際大(2部1位) 0 0 0 0 1 1 4 0 0 0
(延長11回サヨナラ)

前日からは一転、両チームの必死の気持ちが入った、大熱戦となったが、最後は劇的な幕切れで 東京国際大が勝利した。

前半を優位に進めたのは高千穂大。3回に深澤、4回に高瀬の適時打で得点し、1点を返されたあとの 6回には西江・西貝の連続長打に石井のスクイズで加点し、3点をリードした。 しかし追いすがる東京国際大も6回に神田の犠飛で1点を返すと7回には2死無走者から 前川・待井・倉上・甲原・神田の5連打と、完全に高千穂大先発・三枝をとらえ、 逆転に成功した。この間なんの動きも見せなかった高千穂大ベンチには残念であったが、 それでも高千穂大は8回に西江・西貝の連打から無死満塁の好機を作り、長田の遊ゴロ併殺崩れに敵失も重なって同点。 以後は高千穂大は三枝にすべてを託し、東京国際大は9回から中川をリリーフに送り、 ともに期待に応える好投を見せる。

決着がついたのは延長11回。高千穂大は大野・深澤の安打から2死1.2塁の好機を作り、 西江が左翼を大きく越える適時2塁打を放ち2点を勝ち越し。ついに勝利を手に入れたかに見えた。 ところがその裏、東京国際大は倉浪四球、松沼右前安打、前川中犠飛で1点返して1死1塁。 待井は見逃し三振かと思われた球をボールと判定されたあと右前打でつなぎ、 当たっている "入れ替え戦男"・倉上が左翼線2塁打で同点としてなお1死2.3塁のサヨナラ機を作る。 高千穂大はすべてを託していた三枝をついに185球で降ろし、中村をマウンドに送る。 迎えた甲原は初球をひっかけて遊ゴロ。スタートを切って本塁を突く3走・待井と 遊撃・高瀬からの本塁返球。クロスプレーとなったが間一髪、待井が速く、劇的なサヨナラフィルダースチョイスとなった。

双方死力を尽くしたすばらしい試合だったと思う。劣勢の展開を2度逆転して勝利に 結びつけた東京国際大の健闘は言うに及ばない。ただ、平成以後初の2部降格という結果を招いてしまった 高千穂大の方にも称えるべき点は多かったと思いたい。打たれもしたが必死の投球で マウンドを守り続けた三枝の185球の力投。4安打の西貝、3安打の西江らの打撃。 そして無失策でしのいだ守備。そしてチーム全体にも気持ちが入っていると見え、 第1戦の大敗から2連勝した1年前の入れ替え戦の再現もあるかと思わせた。 がけっぷちに立って今季初めてチームとして危機感を持ち、まとまって機能したのではないかとも思う試合、 惜しむらくは今日のような試合が2ヶ月早く、少なくとも1日早くできなかったか、 ということである。戦力や戦術のみならず、チーム運営や雰囲気といった面も重視して立て直しを図ってもらいたい。


平成18年6月24日 県営大宮球場 2・3部入れ替え戦第1戦
1 2 3 4 5 6 7 8 9
首都大東京(3部1位) 0 2 2 1 0 3 0 0 0 8
東京理科大(2部6位) 0 0 0 0 0 2 0 1 0 3

昨季の再戦となったカード、前回同様に先勝は首都大東京となったが内容はいささかさびしいものとなった。

首都大東京は2回に栗山の2塁打から3連続四球と建石の犠飛、都合1安打で2点を先制。 3回には四球の走者を敵失と犠飛で、無安打で2点を追加。4回にも敵失の走者を菊地の犠飛で返し、 4回まで1安打で5点をリード。6回には2死満塁から久保田に会心の走者一掃適時2塁打が出て 一方的な展開となった。投げては先発・大滝が危なげない投球を見せていた首都大東京だが 6回に宮地につなぐと四球連発で失点。それでも東京理科大の拙攻にも助けられ、 最終的には大量リードに守られて逃げ切った。

首都大東京は少ない安打で効率よく得点したとも言えるが相手に助けられた部分も多い。 それよりも中盤以降に無用な抵抗を受けたことが反省点だろう。東京理科大はリーグ戦登板3試合の 大木に先発を任せたが6回9四死球の乱調に守備陣も3失策。第2戦に温存したかと思われた 安部も劣勢の展開でマウンドに送ってしまい、投手起用にも疑問を持たせた。6回4四球1失策でもらった 反撃機も2点にとどまった。

平成18年6月25日 県営大宮球場 2・3部入れ替え戦第2戦
1 2 3 4 5 6 7 8 9
東京理科大(2部6位) 3 0 0 0 0 0 1 0 0 4
首都大東京(3部1位) 2 0 0 0 0 3 2 0 × 7

前日からは一転、息詰まる接戦となったが、最後は首都大東京が地力を見せて勝利した。

試合は初回から荒れ模様。東京理科大が1回表に四球を足がかりに石川の適時打、佐藤の2点適時打で3点を先制。 しかしその裏首都大東京も3連続四球の無死満塁から芝田の犠飛と久保田の内野ゴロで、無安打で2点を返す。 点を取り合った初回だが2回からは首都大東京・片山、東京理科大・石川とも落ち着いて好投。 一転、1点勝負の様相を呈して6回まで来た。6回裏、首都大東京は先頭の久保田が3塁打。 1死後、代打中島が期待に応える左翼線適時2塁打で同点。続く桑原も前進守備の左翼をわずかに超える 適時2塁打を放ち逆転。建石にも適時打が出て2点を勝ち越し。7回からは万全を期して 大滝をマウンドに送るも東京理科大も反撃。1死1.2塁から大木の適時打で1点を返した。 しかしその後の1死満塁を大滝が連続三振でしのぐと首都大東京は7回に敵失を足場に 2点を追加。東京理科大は最終回、先頭・竹俣が安打で出塁して意地を見せるかと思いきや 渡辺の三直で走者戻れず併殺。大木も打ち取られて屈した。

どちらが勝ってもおかしくなさそうな第2戦だったが、中盤以降に代打起用の選手が 結果を出すなど、首都大東京が地力でやや上回ったと見えた。対する東京理科大は 7回1点を返したあとの1死満塁の反撃機で石井・森田の中軸が連続三振に倒れるなど、 差が現れてしまった。圧倒的不利の予想の中で、2部老舗校の意地も見せ、気持ちの入った 試合だったとも感じた。石川も4番として適時打を放ち死球も受けながら完投した。 ただし最後は刀折れ、矢尽きたかんじで、よくぞ守ってきたとさえ思う、13年にわたる 2部から陥落した。


平成18年6月24日 県営大宮球場 3・4部入れ替え戦第1戦
1 2 3 4 5 6 7 8 9
帝京科学大(4部1位) 0 2 0 0 4 0 0 1 0 7
国際基督教大(3部6位) 1 0 0 1 0 2 0 0 0 4

久々の入れ替え戦となった帝京科学大が、縦横無尽に走り回り、入れ替え戦の常連・国際基督教大に先勝した。

初回、国際基督教大がスクイズ失敗(ファウル)後の2死3塁から鈴木の適時打で先制するものの2回に帝京科学大が逆転。 無死1塁からヒットエンドランをかけて加藤の打球は右翼左側に転がったが、 スタートを切っていた1走・益田が一気に本塁を狙って生還。さらに1死3塁からの敵失で勝ち越した。 国際基督教大は4回にスクイズ失敗(空振り)後の2死3塁から永森の適時打で追いつくも 帝京科学大は5回に突き放す。2死満塁から加藤・山谷が続けて2点適時打を放ち4点を追加。 国際基督教大も6回に永森の2点適時打で追いすがったが、帝京科学大の先発・山田が 7回連打の2死1.2塁、9回連打の2死1.2塁をしのいで逃げ切った。

人数が少ないながら帝京科学大の活気が目立った試合であり、4部校とは感じさせない戦いぶりだった。 特に走塁への意識がしっかりしており、単打での1塁からの生還に代表されるように、取れる塁をしっかり取っていた。 先発の山田は安打と四球で毎回のように走者を背負ったが要所を締め、守備陣も1失策とよく守った。

平成18年6月25日 県営大宮球場 3・4部入れ替え戦第2戦
1 2 3 4 5 6 7 8 9
国際基督教大(3部6位) 0 0 0 4 0 0 7 0 0 11
帝京科学大(4部1位) 0 2 0 4 2 2 1 1 × 12

雨天中断もあった右往左往の乱戦は、わずかに帝京科学大が上回った。

2回に帝京科学大は勝山・益田・加藤の3連打で2点を先制。対する国際基督教大は 4回に相手の4失策に助けられ、中山の適時内野安打等があって4点を取って逆転。 この回の帝京科学大の守備は大変悪く、国際基督教大が主導権を握るかとも思われたが その裏、帝京科学大が伊藤慎・伊藤雄の適時打等であっさり逆転。さらに5・6回にも 加点して一方的な展開となった。しかしコールドでの決着も見えてきた7回、帝京科学大先発・ 石田の球数が100球に乗ったところから国際基督教大が反撃し、1死満塁から田中の2点適時打、 連続死球を挟んで佐藤・石河の連続適時打に青木のスクイズとたたみかけ、石田を降ろして一気に逆転を果たした。 しかししかし、地力に勝ったのは帝京科学大だった。7回は2死2塁から伊藤慎の適時2塁打で追いつき、 8回は1死2.3塁から益田に敢行させたスクイズはファウルに終わるも次の球を中堅に打ち上げ、 犠飛で手堅く勝ち越した。投げては7回途中からリリーフに登った連投の山田が 大変苦しい投球ながら無失点で切り抜け、逃げ切った。

帝京科学大は平成13年春後の入れ替え戦で4部に降格して以来、3部挑戦すらなかったが 初の挑戦で3部昇格。両チームの選手とも当時を知る者はいないとは言え、 前回の4部降格は国際基督教大に大敗して喫したもの。リベンジを果たした形となった。 第2戦4回の連続失策はいただけなかったものの、それを除けば走塁・守備などの面で 4部校らしからぬ堅実さも見せ、3部での戦いに期待を持たせる。3部下位校もうかうかしていられないだろう。 対する国際基督教大はここ数年、非常に厳しい戦いを強いられながら4部降格だけは 避けてきたもののさすがにいっぱいいっぱい。タイムアップ的な4部降格となったが 入れ替え戦での永森の台頭、この日よく打った遠藤の打撃など、期待を持たせる要素もなくはない。 チームを立て直して来季からがんばってもらいたい。


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