平成22年 東京新大学野球連盟秋季入れ替え戦


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[入れ替え戦] [明治神宮大会および予選]


平成22年10月31日 越谷市民球場 1・2部入れ替え戦第1戦
1 2 3 4 5 6 7 8 9
高千穂大(1部6位) 0 0 0 0 0 0 0 0 1 1
杏林大(2部1位) 0 0 0 1 0 2 1 0 × 4

杏林大は1・2回と走者を出しながら盗塁刺、3回は先頭打者を出しながらバントで送れずと 拙攻気味ではあったが4回2死2塁から大谷の適時打で先制。6回にも鳥羽・松沼の安打で2死1,3塁の好機を作り大谷。 あえて大谷勝負を選んだ高千穂大に対して大谷が左中間を越える2点適時3塁打を放ち追加点。 7回にも小俣の犠飛で加点した。投げては先発の田頭が直球・変化球ともによく、完投勝利した。

高千穂大は3回2死満塁の先制機は小宮中飛、4回2死2塁は齋藤三振、8回に内野安打2本と敵失で得た 1死1,3塁は代打山崎大三振、小宮右飛と、杏林大・田頭を崩せなかった。 3回2死満塁の前、2死2塁からの村山の左前打で2走が判断悪く生還できなかったのも主導権を握れなかった意味で痛かった。 9回に諏訪・齋藤の安打を足がかりに柳の内野ゴロで1点を返し、 9回だけで田頭に23球を投げさせたのが第2戦以降に向けてせめてもの抵抗だった。

平成22年11月1日 越谷市民球場 1・2部入れ替え戦第2戦
1 2 3 4 5 6 7 8 9
杏林大(2部1位) 1 0 0 1 2 0 0 0 0 4
高千穂大(1部6位) 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0


平成22年11月6日 県営大宮球場 2・3部入れ替え戦第1戦
1 2 3 4 5 6 7 8 9
東京理科大(3部1位) 0 0 0 0 0 0 0 0 1 1
日本工業大(2部6位) 1 1 0 0 0 0 0 0 × 2

(この試合の記事は匿名希望者によるものです)

この日の大宮公園は球速がバックスクリーンに表示された。両軍の先発投手は共にMAX120km/h代後半を計測。 球威だけでなく制球力も備わっているピッチャーの好投により、引き締まったゲームとなった。

日工大は初回に横堀、2回には新美がそれぞれ適時打を放つ。理科大先発の上田はストライクを先行させるテンポのよい投球であったが、 2回までにヒット5本を集中され試合の主導権を握られる。ただ、中盤以降は捕手・芦澤が若いカウントからもボール球を上手く使う配球に切り替え追加点を許さない。 序盤からビハインドを背負った理科大だが、2回と5回は共に先頭打者が二塁打を放って出塁する。 そして3塁まで走者を進めるが、後続が凡退して無得点に終わる。日工大・中西はピンチとそうでない場面での力の入れ具合が絶妙であった。 簡単にストライクを取りにきたかと思うと、要所では投球スタイルが変わる。4安打を放たれたが、走者を背負ってからはヒットを許さなかった。 中西の好投が続いていたが、何と日工大は7回からDH解除をして新美をマウンドへ送る。予定通りの継投と思われる。 理科大はようやく最終回に新美からチャンスを作り、伊東の犠飛で1点をもぎ取る。尚も2死1・2塁と攻めたてたが、あと一歩及ばなかった。

部分的には、所属しているリーグのレベルの差が出たという気もする。日工大の捕手・畠山はボールが先行した不利なカウントからでも変化球を要求。 中西もこのリードに応えて内・外角の厳しいコースに投げ分けた。特に鋭く曲がり落ちるカーブは威力十分で、理科大打線に的を絞らせなかった。 それから、打線の方も積極的なバッティングをするだけでなく、追い込まれてからの選球眼も優れており序盤から上田を苦しめた。 恐らく、2部リーグの好投手と相対して各打者の目が慣れているからだと推測できる。 一方の理科大も、敗れはしたものの収穫があった。上田の粘投に加えて、6回途中から登板した船橋の好投が光る。 打者9人に対して1人の走者も許さないパーフェクトリリーフを披露した。この好投が勝利までには結びつかなかったが、次戦以降に活かされることだろう。 チーム力は互角と見るが、第2戦からは継投を含めた両チームの投手起用が勝敗を分けそうだ。 また、理科大の序盤の2失点はファールフライの落球や内野ゴロのエラーが響き、最終回の日工大も外野手の後逸が失点に結びついたものだった。 引き続きロースコアの試合展開となることが予想されるだけに、投手起用だけでなく守備・走塁面での細かいミスも勝負の行方を大きく左右することになるかもしれない。 最後に、この試合でエンドランやスチールが企画されたのは両チームを合わせて1回のみだった。なかなか得点を奪うことができない状況で、 双方がどのように機動力を絡めていくのかという点も見どころの一つと言える。

平成22年11月7日 飯能市民球場 2・3部入れ替え戦第2戦
1 2 3 4 5 6 7 8 9
日本工業大(2部6位) 1 1 2 2 0 0 0 0 0 6
東京理科大(3部1位) 0 2 5 1 0 4 0 0 × 12

平成22年11月13日 飯能市民球場 2・3部入れ替え戦第3戦
1 2 3 4 5 6 7 8 9
東京理科大(3部1位) 0 0 0 5 0 1 0 0 3 9
日本工業大(2部6位) 0 0 0 0 0 0 0 2 0 2

(この試合の記事は匿名希望者によるものです)

第2戦の打ち合いで、決して貧打ではないことを証明した両チーム。 1週間のインターバルを置き、投手陣がフレッシュな状態に戻った上での再戦となった。

日工大は4年生に最後のマウンドを託す。新美は2回に連打を浴び1死2・3塁のピンチを招くが、後続を連続三振に切ってとる。 初回と3回は三者凡退に抑え、序盤は上々の立ち上がりだった。一方の理科大は、3戦連続の先発となる上田。 いつものパターンを崩さない投手起用である。しかし新美とは対照的に、序盤は3イニング連続で得点圏に走者を背負ってしまう。 初回の2死満塁、2回の1死1・2塁、3回には2死1・3塁となるが、いずれも粘りの投球で先制点を許さなかった。 その後の4回表、理科大は1塁に走者を置いて村田が右中間フェンス直撃の適時2塁打を放ち先制。 尚も2死3塁から長田が足を活かした内野安打で2点目を奪った。 両軍とも僅差の勝負になるだろうという読みがあっただろうし、このあたりで日工大の選手たちの緊張が緩んでしまったのかもしれない。 続く2死2・3塁からの伊東の内野安打は、ピッチャーの1塁ベースカバーが明らかに遅れた。 さらに2死2・3塁となり、大屋が2点適時2塁打を放つが、これも打ち取られた高いフライがセカンド後方にポトリと落ちたものだった。 第1戦はいい当たりが野手の正面を突く不運もあったが、このイニングは幸運もあり打者一巡の猛攻で5得点を上げた。 大量リードを奪ってからは、リーグ戦を制覇したチームの試合運びの上手さが出た。 6回には佐竹の適時打で中押し、9回にも芦澤と長田による2つの長打でダメ押しした。 上田も走者を許したが7回を無失点にまとめ、8回からは曽我を挟んだ後に船橋が登板。 きっちりと抑えて2部昇格をもぎ取った。

スモールベースボール全盛の時代だが、理科大が展開した野球は他チームとは少し異なっていたように思う。 ノーアウトから走者が出ても簡単には送りバントをしなかった。各打者のスイングは鋭く、打力にはそれなりの自信があるからに違いない。 またこの日は、スチール、バスター、ボールカウントが不利になってからのランエンドヒットなど多彩な攻撃を見せてくれた。 実に5年ぶりとなる2部復帰。レベルの高いチームがひしめく2部リーグでは苦戦を強いられることになるだろう。 しかしながら、好投手がいる。大砲もいる。試合中の声もよく出ていて元気があるし、思いのほか部員数も多いようだ。 臆することなく、2部のチームに挑んでほしい。


平成22年11月6日 県営大宮球場 3・4部入れ替え戦第1戦
1 2 3 4 5 6 7 8 9
東京電機大(4部1位) 1 0 0 0 0 4 1 0 0 6
東京外国語大(3部6位) 0 0 1 0 2 0 0 0 0 3

(この試合の記事は匿名希望者によるものです)

どちらに流れが傾くか予想できない展開だったが、中盤の攻防が勝敗を分けることとなった。

まず初回に、電機大が越後の適時打であっさりと先制する。外語大は小池が先発したが、 序盤はややコントロールが定まらず変化球が高めに抜ける傾向が見られた。しかし、安定した守備を誇る外語大はなかなか追加点を許さない。 そして攻撃では、3回に相手のエラーなどで満塁とすると、押し出し四球により1安打で同点に追いつく。 また外語大は、5回にヒット2本で作った1死2・3塁のチャンスからスクイズを敢行。 一挙に2者が生還して勝ち越しに成功する。外語大はリードを守りたいところだが、この直後のイニングに電機大の反撃を受ける。 無死1・2塁からバントの構えを見せ、ボールカウントが有利になったところで一転して強攻。 東條の適時打と奥村の犠飛に加えて相手のエラーも重なり、ビッグイニングを作って逆転した。 その後もリードを保ち、合計で10安打を放った電機大が快勝した。

外語大は大切な初戦を落としてしまったが、7回途中から登板した休波が気合いのこもったピッチングを見せてナインを鼓舞していた。 終盤に見せた意地が次戦に作用することだろう。 一方の電機大は、不自然なまでに大柄な選手が多く、とても4部リーグのチームとは思えないスケールの大きさを感じさせた。 若いカウントから各打者が鋭いスイングを心がけ、下位打線にも打球を遠くまで飛ばす力がある。 さらに、何と言ってもエース武田のピッチングが抜群だった。守備に不安を抱えるチームであるため、 打たせて取るという概念はないのだと思われる。球質のよい速球を持っているのにもかかわらず早い回から多彩な変化球を投げ分け、 外語大打線をねじ伏せようとしていた。それゆえ必然的に投球数が増えてしまったが、 電機大ベンチは7回8奪三振で130球以上を放ったエースを下げ、翌日の試合を見据えた上での細かい継投で逃げ切った。

平成22年11月7日 飯能市民球場 3・4部入れ替え戦第2戦
1 2 3 4 5 6 7
東京外国語大(3部6位) 2 0 0 2 0 4 1 9
東京電機大(4部1位) 0 0 0 0 0 0 0 0
(7回コールド)

あとのない東京外国語大が、圧勝した。

東京外国語大は初回1死2,3塁から小野の内野ゴロと重盗敢行(1走アウトも3走生還)で2点を先制。 4回には連続四球と犠打野選で無死満塁の好機をもらい、金沢適時打と暴投で追加点。 6回には金沢の適時2塁打のあと、さらに2四球がからんだ1死満塁から小池の2点適時打と捕逸でダメ押し。 5度敢行したスクイズは1度も成功しなかったものの、相手の乱れもあり、自在にダイアモンドを駆け巡った。 投げては連投の先発・小池が6回を無失点に抑えた。

東京電機大は個々の打力に任せた攻撃で4・5・6回と2塁打で好機は作ったものの 打線がつながりを欠いた。組織立った機動力野球を展開する相手チームと対照的な戦いを挑んだものの この日に関しては不発。序盤から追いかける展開となって乗り切れなかった。

平成22年11月13日 飯能市民球場 3・4部入れ替え戦第3戦
1 2 3 4 5 6 7 8 9
東京電機大(4部1位) 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0
東京外国語大(3部6位) 0 0 4 0 0 0 0 0 × 4

(この試合の記事は匿名希望者によるものです)

タイプの異なる両チーム。第1戦と同じ先発投手による投げ合いとなった。

まだプレイボールを告げるサイレンが鳴りやまないうちに、電機大は先頭の相良が レフトオーバーの2塁打で出塁する。その後、2死2・3塁となるが無得点。2回にも 走者を3塁まで進めるが先制点を取ることができなかった。試合は3回に大きく動く。 電機大・武田が9番打者にクリーンヒットを浴びた直後から突如ストライクが入 らなくなり、2連続四球を与える。そして外語大は2死満塁から小野が2点適時打、 さらに2死2・3塁となって滝藤が2点適時打をそれぞれ放ち、この回に一挙4点を先制。 序盤に訪れたチャンスをしっかりとモノにした。この後、外語大が試合を優位 に進めるが、楽勝ペースには持ち込めなかった。4回裏は電機大守備陣が3連続 エラーでピンチを招き1死満塁となったが、武田がふんばり追加点を与えない。 6回からリリーフした武藤も好投し、反撃を待つ。ところが、電機大はほとんどチャンスを 作ることができなかった。3回以降で得点圏に走者を進めたケースは2度だけ。 それでも、中軸に長距離砲を置く電機大である。8回には小池に疲れが見えてやや制球を乱し、 何かが起こることを予感させた。ところが、結局何も起こらないまま、3回裏 以外は得点が入らずに外語大が3部残留を決めた。

外語大の捕手・休波は電機大打線に対して横のゆさぶりをすることを心掛けていたと 思われる。とても慎重なリードだった。一方の小池は、力のある相手打線に対し逃げ るのではなく、かわすのでもなく、真っ向から勝負しているように見えた。この日は 細かいコントロールよりもむしろ球威で勝負していたと考えられる。「ヒットを打た れて相手を乗せてしまうくらいな四球で歩かせてもいい。その代わり得点は取られな い。」そんな意図がバッテリーにはあったのかもしれない。合計で四球を6つ与えた ものの、大型選手を揃える電機大の重量打線を僅か2安打に封じ込めた。また、電機 大打線が放った打球の方向はやや高かった。外野への飛球はヒットとなったものを含 めると実に12本。低くて鋭い当たりはほとんどなかった。そして、もうこの試合が 3戦目である。お互いに相手チームの特色は掴んでいたであろう。外語大の外野手の 守備位置は、中軸の打者を迎えた際にやや深めだった。あわやホームランという打球 もあったが、見事な背走でキャッチすることができた。確かに両チームの最大の違い は守備力で、練習量が影響していることは明らかである。電機大は練習場所・時間の 確保が難しいと聞いているが、投手以外の肩ができておらず野手のスローイングが不 安定だという印象を受けた。しかし、連盟全体のことを考えると、底辺の4部リーグ にこれだけ潜在能力の高いチームが活躍しているという事実は頼もしい限りだ。今回 は1年前に3部優勝を飾り、ディフェンスが強固な外語大が相手。超攻撃的な電機大 には相性が悪く不運だったという見方もできる。再度3部昇格を目指してもらいたい。


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